東京高等裁判所 昭和38年(行ナ)158号 判決
原告が本訴請求の原因として主張する事実は、被告において明らかに争わないから、これを自白したものとみなされるところ、右事実によれば、原告の本訴請求は理由があるものということができるから、これを認容することとする。
〔編註〕 本件における当事者の主張は左のとおりである。
請求の原因
原告訴訟代理人は、請求の原因として、次のとおり述べた。
(特許庁における手続経過)
一 原告は、昭和二八年四月六日登録出願、昭和三〇年五月二〇日登録の第四二八、六一四号実用新案の権利者であるが、被告は、昭和三三年五月二〇日、原告を被請求人として、右実用新案の登録無効の審判を請求(昭和三三年審判第二二七号事件)したところ、特許庁は、昭和三八年一〇月一〇日、右実用新案の登録を無効とする旨の審決をし、その審決書の謄本は、同月二三日、原告に送達された。
(審決理由の要点)
二 本件審決は、本願実用新案における考案の要旨を「受皿4と放射状の羽根3とをそれぞれ廻転体の上部と下部とに設け、この廻転体を通風筒1内に挿通した給油管9に遊嵌し、受皿4を通風筒1外に位置させ、通風筒1内への強制送風により放射状の羽根3を介して廻転体とともに受皿4を廻転させるようにした液体燃料燃焼装置の構造」にあるものと認定したうえ、「本願は、従来公知の廻転皿式液体燃料燃焼装置における各部を適宜取捨選択して結合したものであり、その結合した点において各構成要件が単独に奏する作用効果の湊合以上に格別の作用効果を奏するものではなく、その配置結合も必要に応じて容易になしうる設計にすぎないものである以上、本願の実用新案は、旧実用新案法第一条の考案を構成するものとは認められず、その登録は、同条の規定に違反してされたものと認められるから、同法第一六条第一項第一号の規定により、これを無効とすべきものとする」旨説示した。
(審決を取り消すべき事由)
三 本件審決は、次の点において、事実を誤認した違法があり、取り消さるべきものである。すなわち、本願実用新案の要旨は、「通風筒1内に挿通した給油管9に廻転しない燃料排出口6を穿ち、上部に受皿4を、下部に放射状に設けた羽根3を備えた廻転体を受皿4が通風筒1外に位置する如く遊嵌し廻転しない案内皿5を受皿4の上方で給油管に設けた液体燃料装置の構造」にあり、本件審決は、「廻転しない油の排出口」と「廻転しない案内皿」の存在が本願実用新案の要旨の一部であることを看過し、この誤つた要旨の認定を前提として、前記のとおり認定したもので、本件審決は、この点において、違法である。
被告の主張
被告は、本件に関し、何らの主張をしない(一旦した主張を、のちに、すべて撤回)。